雑感20201031~日本企業の人的資源問題

雑感20201031~日本企業の人的資源問題

米国と比べて特に文系の人的人材の質は低く、過去20年間その差が開いていると
感覚的には思っている。
米国どころかアジア諸国比でも劣勢と思われる。

 

1. 日本は深く認識はしていないが自然と、村意識発想でメンバーシップ的雇用。
新卒重視はその表れ。余計な知識は必要なく、基礎的な知力体力と従順さが求められる。

 

2. 仕事のやり方は各社、各部署ごとに良くも悪くも縦割りでたこつぼ的。
各部署ごとに独自のこだわりがある。まじめに仕事をしてきちんと
した結果を出すとはいえる。
半面、仕事の仕方が定型的になっていないので、外部での教育があまり有効ではない。
大学の勉強が役に立たず、失業者に教育してもいまいちである理由。
また、転職すると異なる仕事が前提となり、結果が出せない人材となる。
外に出て通用せず、それが分かっているから内部での評価の向上に注力し
基礎的な能力向上を結果として怠ることとなる。

 

3. 企業ごとのメンバーシップ的雇用なので、良い企業の良い職を
限られた人材のみがシェアできる。その企業内の他の部署の人、
企業と関連の強い銀行からの出向者など。
転職市場が未整備となる。

 

4. メンバーシップ的雇用なので、まったく異業種の新規人材は補充されない。
新卒にその素質があっても開花しないし開花させる場所がない。
嫌気がさしてやめる人もいる。新しいことをしない弊害は
新しいことへの挑戦時の各種意思決定の精度が落ちること。

 

5. 結果としてイノベーションは生じない。しかし他国のコピーをするには
高付加価値分野では知的財産権が障害となり、そうでない分野は
日本の賃金を考慮するとペイしない。

現在、過去の遺産で食いつないでいる。ある意味で資源国の呪いと同じ状況となっている。イノベーションよりも今あるリソースからの配分を重視するという意味で。

 

まとめると
・メンバーシップ的雇用が前提
→仕事の方法がタコつぼ化
→転職困難、外部学習が困難、人的能力の向上鈍化
→チャレンジしなくなる
イノベーションがない
→貧困化

→より今いる企業にすがることを重視

 

このループから抜け出すことはむつかしく、際限なく状況が悪化すると思われる。

 

以上